油圧空気圧の作動原理は17世紀フランスの物理学者パスカルによって定義されました。
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このパスカルの原理を応用し、少ない力で大きな力を得る技術として油圧空気圧は古くから利用されています。
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400年もの昔から使われはじめ、材質の変更や動力、制御方法が確立され今日の発展に欠かせない技術になりました。もちろんそれよりもはるか以前より利用されている「てこの原理」や「車輪」なども利用されていますが、油圧空気圧のメリットはそれらと比較し以下に特化しています。
これら多くのメリットにより身近なところ(車のブレーキ)から深海、宇宙空間まで広く利用されるようになりました。しかし、メリットだけでなく。もちろんデメリットもあります。
などです。このため力(トルク)は必要だが低速での速度制御が必要なところに多く利用されています。
上図のパラボラアンテナなどは重量物かつ、低速度、高精度を求められれる為、油圧利用の典型例です。
以上が基本的な機器で上記の機器を組み合わせることにより制御を行うことができます。動力から流体エネルギーに変換させ再度動力に変換させることになります。
さらに、フィルター、アキュームレータ、クーラーなどの付属機器やその他センサー等を取り付け、より複雑で安全な制御を行っています。
油圧は高圧(力が要るところで利用)、空気圧は低圧(比較的少ない力で利用)だから空気圧は怖くないと考えるのは大きな間違いです。また、空気圧は大気開放すれば戻り配管が不要なので取り扱いが楽なども間違いです。
最大の違いは流体が圧縮するか圧縮しないかの違いです。圧縮とはエネルギーの保存ですから、仮にエアシリンダーの取り付け配管内に残圧がありその配管が外れると、逆側にある外れていない配管側は圧縮されていますので大気圧に戻るまで膨張を続けます。すなわち、シリンダーなどのアクチュエータが電源を切った状態でも稼動時と同一の圧力、速度で動く可能性があります。油圧(液圧)は圧縮を無視できますので同じ状態になっても1mm程度動けばエネルギーが0となりほとんど動きません。空気圧は圧も低く油圧に比べて取り扱いが簡単、安全だと思い込むのは大変危険です。
ただし、液圧でも配管内に空気が含まれていた場合。または以下の項目で説明するアキュームレータを利用している場合や、自重による落下など、配管をはずす時は油圧でも空気圧でも十分知識のある方が取り扱わなければいけません。
液圧ポンプとは電動機または原動機の回転運動を流体エネルギーに変換するものです。また、人力よるポンプもあります。液圧ポンプには以下の種類が一般的です。
またポンプには固定容量式と可変容量式の2つの種類のポンプがあります。
エアーの場合はポンプの替わりとしてエアコンプレッサーを利用して圧縮空気を搬送します。
エアーの場合圧力は1.0Mpa(10kgf/c㎡)まで油圧の場合21.0Mpa(210kgf/c㎡)程度。場合によっては100.0Mpa(1000kgf/c㎡)以上が利用されています。
ギヤポンプには内接式と外接式とがありますが、2つのギヤがかみ合い歯溝とケーシング内にはさまれた空間が移動することによって流体を搬送させます。一般的な外接式ギヤポンプの構造を以下に示します。
ベーンポンプは固定容量式と可変容量式の2種類のポンプがあります。ベーン(羽根)とカムリング内にはさまれた空間が移動し流体を搬送させます。一般的な可変容量式ベーンポンプの構造を以下に示します。
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ピストンポンプにも固定容量式と可変容量式の2種類のポンプがありますが、ほとんどの場合可変式です。回転運動によりピストンが上下しその空間が流体を搬送させます。またピストンポンプはその他のポンプと違いシリンダーの配列やピストンの駆動方法に多くの種類があります。一般的なピストンポンプの特徴を以下に示します。
以上代表的なポンプを3種類説明しました。では実際に選定する場合どれを選ぶべきなのでしょうか?使用圧力で選ぶ方法やもちろんコストや条件によって左右されますが出来るならば高効率のポンプを選定しましょう。
なぜなら低効率のポンプはその内部リークにより、ランニングコストに直結します。ただでさえ油空圧は動力を流体に変換 -> 動力へと再変換させるので効率的に不利です。ですので、その動力から流体エネルギーへの最初の変換効率を高めるのは油圧空気圧の省エネの第一歩ではありませんか?
油圧ポンプ運転時にポンプが触れないほど熱くなっていませんか?その熱はモーターからポンプへのエネルギー変換損失であり電気料金を熱として捨てている状態です。
圧力制御弁とはポンプからの吐出圧を調整したり2次的に発生した圧力を逃がし機械的損傷を防ぐ目的に使用される、いわゆる安全弁的な機器の総称です。またアクチュエーターのトルク=推力を決定させる重要な働きをもっています。
上記のような多くの機器がありますが基本的にはある一定の圧力に達すると圧力を逃がしたり2次側への流出を阻止する機構を備えています。エアーの場合は余剰圧力は大気開放し油圧の場合は配管でタンクに戻ります。
リリーフ弁は主にメイン配管の圧力設定用として使われています。また異常な圧力で配管破裂や電動機の焼損など機械的な破損を防止する目的に使用される場合は特に安全弁と呼び方を変える時があります。多くはバネの力により通常は弁を閉じていますが圧力の上昇によりバネの力以上の圧力が掛かると圧力を逃がし配管や機器を保護します。
また、直動型とバランスピストント型の2種類が利用されます。直動側はバネが比較的大きくなり大流量には不向きですが構造が簡単なため追従性がよく文字通り安全弁として利用されています。
バランスピストン型は若干複雑な構造ですがバネが小さくまた圧力オーバーライド特性が高いためチャタリングを起こしにくいため推力調整機構として広く利用されています。
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減圧弁とはメイン配管内で部分的に低圧で使用する場合に利用されています。たとえばクランプや排出用のシリンダーなどです。メインのシリンダーは高圧で利用し枝配管は減圧して使用できます。このバルブは通常1次側と2次側とも開放していますが設定以上の圧力が掛かると2次側への供給を停止することにより2次側の圧力上昇を防ぎます。
こちらも直動型とバランスピストン型の2種類があります。長所短所はリリーフ弁と同様です。
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構造的にはほぼリリーフ弁と同一です。回路内の配置(利用方法の違い)により名称が異なっています。リリープ弁との大きな違いは、パイロットポートがありパイロット圧を入れることにより一次側から2次側へ流体を流す構造になっているものがあることです。
このようにパイロットポートから信号を入れ切換える機能を外部パイロットといいます。また弁の内部で切り替えるものは内部パイロットといいます。
シーケンス弁は設定圧力に達すると2次側に開放させ順次動作させるための弁です。多くはチェック弁付きで逆方向は自由に流れます。
カウンターバランス弁は流体に高圧を掛ける事により負荷をかけるための弁です。こちらも両方向に流体が流れるためにチェック弁付が一般的です。
アンロード弁とはアクチュエーターの動作が無い時に意識的に流体の圧力を下げほぼ無負荷で流体を流すことによりエネルギー消費を押さえる弁です。
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構造はこちらもリリーフ弁と同様です。利用方法によりチェック弁がついている場合があります。
アクチュエーター停止させる時その慣性力が配管内部で高圧になるのを防ぎ緩やかな減速を行う弁です。また慣性によりアクチュエーターの前の配管内は負圧になるのを防ぐような構造になっています。
一次側がリリーフ弁逆方向は減圧弁のような構造の弁です。
重量物のバランスを保ち比較的小さな力で仕事をする場合に利用します。マシニングセンターのバランス回路などで広く利用されています。
選定に関しては別項の選定や回路設計を参照ください。ただ、圧力に関する機器は主にアクチュエーターの力を制御させる機器か機械の負荷を和らげるモノと思ってください。ここに紹介した機器は安全に直結しますので選定取り付けには特に注意してください。回路にもよりますが機器交換の時は特に事故がおきる可能性が高まります。圧力調整を最低にし圧力を序々に上げる等、未然に事故を防ぐ様注意しましょう。
流量制御弁とは流体の流れを制限しアクチュエーターのスピードをコントロールする機器の総称です。
上記のような機器があります。多少構造は違いますが水道の蛇口を思い出して頂くとわかりやすいと思います。
絞り弁は水道の蛇口と構造も外観もよく似ています。違いは高圧や悪条件にも耐えうる材質を使用している点です。
またストップ弁とも似ていますが絞り弁は完全な締め切り(流量0)とするためのものではなく流量の調整範囲を大きく取れる構造で目盛りが付いているものもあります。
通常の絞り弁は圧力や粘度(温度変化含む)により同一開度でも流量が変化します。これは精密な制御がを行うには不都合があるため精度が必要な場合流量調整弁を使用します。
絞り弁に差圧一定型減圧弁を追加し1次側2次側の圧力差が大きくなると減圧弁自体で流量を制限し圧力変化でも流量を安定させます。また絞り自体の構造を薄刃オリフィスにし粘度(流体の温度変化含む)も補償する温度圧力補償型流量調整弁もあります。
複合流量調整弁はパラレルに流量調整弁を取り付け大流量小流量をドッグにより多段階に切換える機器で主にスライドに利用される弁です。
これは通常開または常時閉として流体の損失を防いだりメンテナンスが目的の弁で絞り弁と構造が近いのですが絞る調整範囲が非常に狭く漏れないことを考慮しているため絞り弁として使用はできません。エアータンクのドレン抜きなどに利用されています。
選定に関しては別項の選定や回路設計を参照ください。流量を調整する機器は主にアクチュエーターの速度を制御する機器と思ってください。ここに紹介した機器は安全に直結しますので選定取り付けには十分注意してください。
回路にもよりますが機器交換の時は特に事故がおきる可能性が高まります。流量を最低にし、(流量 = 速度)を序々に上げる等、未然に事故を防ぐ様注意しましょう。
方向制御弁とはアクチュエーター動作方向や停止を決定させる重要な弁です。
上記のような機器があります。切換弁はアクチュエーターの方向切り換え。パイロットチェック弁は落下防止などに利用されています。
チェック弁は片側自由流れ反対側の流れは制限する弁で、多くの利用法があります。構造自体は非常に簡単ですのですぐ理解できるものです。
パイロットチェック弁も逆流を防止しますがパイロット圧を入れることにより逆流を可能にした弁です。多くはアクチュエーターの落下防止回路に利用されています。
電磁ソレノイドを利用し弁内部のスプールを直接移動させ流体の経路を変更する弁です。片側バネ付きやデテント付きまたはバネなしやスプールの構造違いにより中間の切換経路が異なる弁などさまざまなタイプが存在します
上の電磁切換弁は小さいサイズならば問題ありませんが、大きなスプールを動かすには力がありません。そこで小さな切換弁を先ず動かしその油圧の力でメインスプールを切り換えるタイプの切換弁が電磁油圧切換弁です。
また小型の切換弁を利用し低電力で駆動することが出来るため近年は小型の弁でもこのタイプがよく利用されています。
電磁ソレノイドを利用しないタイプの切換弁です。手動や電流制御、サーボ弁などがあります。スプールなどの内部構造は電磁切換弁を同様です。スプールの切換位置を無段階に制御できる構造のものもありその場合、切換方向とスプールの隙間開度も制御できるためアクチュエーターの速度も制御できます。
選定に関しては別項の選定や回路設計を参照ください。方向に関する機器は主にアクチュエーターの向きを制御させる機器と思ってください。ここに紹介した機器は安全に直結しますので選定取り付けには特に注意してください。
回路にもよりますが機器交換の時は配線や配管取り付けを間違えると即誤動作が発生し事故がおきる可能性が高まります。未然に事故を防ぐ様注意しましょう。
ポンプやコンプレッサーで電動機や原動機からで動力を流体エネルギーに変換させました。これを再度動力として利用させる最終的な機器がアクチュエータで、多くは以下の3種類が利用されます。
流体エネルギーを直線運動に変換する機器です。その他の動力(電気など)のほとんどが回転運動から直線運度に変換し取り出しますが、油圧空気圧は直接取り出せることが出来き効率がよいため非常に多く利用されています。
円運動に変換する機器ですが構造上360°以上の回転運動はできませんが、シリンダーにラックアンドピニオンを取りつけ360°以上出す機器もあります。
構造的には油圧ポンプの逆利用です。ただ回転速度を落としても動作するように専用に作られポンプと同様ギヤ、ペーン、ピストンモーターの種類があります。長所短所も同じです。
電動機+減速機より磨耗や機械的損傷も少ないため低速、高トルクの製品が多く逆に高速回転には不向きです。
こちらは選定に関しては別項の選定や回路設計、各種計算式を参照ください。ここに紹介した機器は安全に直結しますので選定取り付けには十分に注意しましょう。
いままでに述べてきた機器を使用すれば、全ての制御が可能ですが、長期で運用したり省エネルギーを考慮したりメンテナンス製を考慮するとやはり付属機器は必需品になります。ここではよく利用される機器を紹介します。
調整、メンテナンスや不具合の前兆確認などに利用します。また同じような目的で流量計や温度計なども利用されます。
任意の設定圧で電気信号をonまたはoffさせる一種の圧力センサーです。位置センサーでは検出しにくい場所や異常圧力の検出用に利用します。
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流体内には常にごみの進入や機器の磨耗による不純物の生成がおこります。機器の磨耗を促進させたり動作不良の防止目的にフィルターをつけるのは必須条件です。
流体は電動機や外部からの熱、それに圧力損失などにより常に熱が発生します。熱は流体を変質酸化潤滑性を低下させシール材を硬化させたり室温の上昇など環境にも悪影響がでます。このためクーラーで流体の温度をある程度下げる必要があります。
圧縮率のない流体(液体)内に設置し気体を圧縮したりバネを使いポンプの運転が停止していても常に加圧するための機器です。脈動を押さえたり保圧したりします。
またタクトの長い設備ならばアクチュエーターの停止中に蓄圧し一気に開放することでポンプの最大流量以上の大流量を流すことができますので省エネに有効です。
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以上で全ての機器を構造も含めご説明しました。これ以外にも別の油圧機器と複合した機器や説明していない機器もありますが一般的な構造さえわかれば、保守点検。修理交換もわかりやすいと思います。また、油空圧機器の回路記号が理解できれば図面を見ることもできますし、いざ不具合が発生したときに原因究明も早いと思います。